激しく『乙一』を読む。

昔すごい読みたくて、ずっと古本で探してたのに見つからず、なかなか読むに至らなかった乙一作品。
だけどホントどこの古本屋行っても、人気らしく売ってないのでとうとう諦めた。
そしてあまりにも時がたちすぎて、読みたいと思ってたことすら忘れてた。
それが今さらになって思い出し、こないだ本屋行ったときに衝動買い。

九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか?死体をどこへ隠せばいいのか?恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。（「BOOK」データベースより）

これがデビュー作らしいから、最初にこれ買って、読んで、驚いた。
主人公の女の子、最初に死んじゃうのに、ラストまでずっとその女の子の一人称で話が続く。
死体からの観点なのか、霊となって客観的に見ている観点なのか、みたくあとがきに書いてあったと思うけど、ホント不思議な感じ。
『私』の死体を隠そうとしている子ども２人が、試行錯誤しているときに見つかりそうになるドキドキ感。
最後、味方だと思っていた人物の見事な裏切り方……などなど。
結末にはびっくりして、とにかくよかった、おもしろかった。
もうひとつ収録されてた『優子』という話も、よくできた、というか、どんでん返しが気持ちいい感じ。
また結末で『えぇっ？あぁそうか……』って。
って、あたしホントに表現力というか感想文書く才能ないなぁ(笑)

とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。（「BOOK」データベースより）

んで、速攻１冊読み終わったので、一緒に買っておいた二冊目に突入。
最初に収録されてたのは『A MASKED BALL』。
ふとしたことから始まった、落書きでのコミュニケーション。
顔も知らない5人での、落書きでのやりとりがテンポよくてどんどんはまった。
これも犯人、というか一番危なかったやつがものすごい意外だった。でも『トイレの落書き』ゆえに納得。
んーたかがトイレの落書き。されど、トイレの落書き。リアルに感じたかも。
そして、タイトルの『天帝妖狐』。
アマゾンのレビューに書いてる人もいたけど、あたしもホラー作品なのに泣いてしまった。
杏子と夜木、お互い惹かれあっているのに、現実は厳しい。
どうしてそんなことになってしまったの？という深い悲しみが胸にじわじわと染みます。


とにかく、乙一はスゴイ。話の斬新さもそうだけど、読んでてぐんぐん引き込まれる。
というわけですっかりハマッてしまったので、今３冊目を読書中。
ホラー大好きなあたしにはたまりません。
しかも、本屋行って探すのがめんどいので、アマゾンで４冊注文してしまいました。
今日あたり家に届いてるかなー楽しみー♪