『Jam Films』を見る。

Jam Films [DVD]

飯田譲治岩井俊二北村龍平篠原哲雄望月六郎行定勲堤幸彦、7人の個性派監督たちが、個々にキャストを配して自由なテーマで取り組んだ新感覚のオムニバスムービー。岩井俊二監督、広末涼子主演による『ARITA』他、全7作品を収録。通常版。

またまた堤作品で辿り着いた品。
各作品15分程度と短い中で、話がどうやってまとまるのか。
いいよとは聞いてたけど、それぞれ個性があって、それぞれがまぁまぁ良かった。
各ストーリーはこんな感じ(ストーリーはYahoo!Jam Filmsサイトから引用)。

『the messenger ―弔いは夜の果てで―』
監督:北村龍平(「VERSUS」/「あずみ」)
出演:魚谷佳苗、北村一輝
荒廃したビルの一室で何かを待ち続ける一人のギャング、権藤(北村一輝)の前に、黒いコートに身を包んだミステリアスな女、神代憂子(魚谷佳苗)が現れる。首に奇妙な刺青を入れた彼女は、通称「メッセンジャー」と呼ばれる凄腕のヒットマン。武器を持たずに死体の山を作ると噂される正体不明の存在だ。彼女の口から「メッセージ」が告げられた時、権藤の身に衝撃の運命が襲いかかる……。

正直、『え?これで終わり?』って感じだった。
あたしの妹はこの話好きらしいのだが、んーなんていうか話も見えてて物足りなかった。
まぁ、ショートムービー1発目ということもあって、このテンポに慣れてなかった感はありますが。
とりあえず、北村一輝はかっこよかったからよし(笑)

『けん玉』
監督:篠原哲雄(「月とキャベツ」/「命」)
出演:山崎まさよし篠原涼子
売れないミュージシャンのあきお(山崎まさよし)と今日子(篠原涼子)は、長年の同棲期間を経て、倦怠期に入っていた。そんなある日、今日子の頼みで買い物に出たあきおは、赤木(氏家恵)とぶつかったことから紙袋を取り違え、けん玉を手に入れる。不思議に思いつつも、けん玉を持ち帰るあきお。一方で、赤木と同僚の藤川(山田伸幸)は、けん玉に隠されたものを求めて、あきおの行方を追いはじめる。

これは後味良かった。なんかほんわか幸せな気分になった。
それも、まさよしとしのりょうの演技と、かわいさゆえ。
映像も音楽もなんだかあたたかくて、ほのぼの見れた。
けん玉と玉ねぎをきっかけに仲直りするなんて、ステキ。
ますます月キャベ見なきゃと思った(って未だに見てないよ……)。

コールドスリープ
監督:飯田譲治(「アナザヘヴン」/「ドラゴンヘッド」)
出演:大沢たかお角田ともみ
コールドスリープ状態から目覚め、カプセルを出たフジオ(大沢たかお)は、古びた校舎の中にいた。彼は人類移住計画のために地球から20光年離れた惑星に送られてきたエリート調査員のひとり。ところが、仲間のナオミ(角田ともみ)から、カプセルに欠陥があったためにほかのメンバーの脳細胞が破壊されてしまっていることを告げられる。フジオは徐々に記憶を取り戻し、壊れていた通信機をこともなく修理するのだが……。

これは飯田譲治が好きなので、原作の小説を読んでてストーリーは知ってた。
映像化しても、話がつまらなくなることもなく。
むしろ、15分という短時間だからこそ、あのテンポで話が進んでよかったんだと思う。
まぁ、最後のオチは、小説でも映画でもかわらず『…………(失笑)』という感じだが。
とにかく、たかおの壊れっぷりがよい。おもしろかった。

『Pandora ―Hong Kong Leg―』
監督:望月六郎(「鬼火」/「皆月」)
出演:吉本多香美麿赤兒
足に秘密の悩みを持つ眉子(吉本多香美)は、薬を求めて喧騒の街を訪れた。閉まっている漢方薬局の前でなにやら怪しい男(麿赤兒)に出会った眉子は、「秘密の薬がある」と誘われるがまま男についていってしまう。うらぶれた路地を通って導かれたのは、すでに閉館した劇場。イスに座ると、目の前には大きな箱が。半信半疑ながらも男の指示通り箱に足を入れる眉子。すると、そこにはめくるめく体験が待っていた。

『ホンコンレッグ』というサブタイがなんとなく好き(笑)
まぁ秘密っていっても、足に水虫があるだけなんだけれども。
それを治すために秘密の薬と聞いて箱の中に足を入れたら、舌でなめ回されるという。
それだけ書いてるとはてなんのことやらという感じだが(笑)
最初から最後までちょっぴりナゾで、吉本多香美のエロさが美しかった。

『HIJIKI』
監督:堤 幸彦(「ケイゾク/映画〜Beautiful Dreamer〜」/「トリック」)
出演:佐々木蔵之介秋山菜津子
アパートの一室で食卓を囲み、一心不乱にヒジキを食べている女(秋山奈津子)、妊婦(氏家恵)、少女(高橋愛)。同じく座っている男(佐々木蔵之助)は手をつけようとしない。すると突然爆音が響き、催涙弾が窓の外から投げ込まれる。男は警察に追われているのだ。すでに包囲され、捕まるのは時間の問題と思われる男だが、人質にしている女たちからヒジキを進められ、身の上話しを聞いているうちに変化が訪れる。

これが堤さんのヤツ。
ひじきのお話なのだが、このひじきの出てくるシチュエーションが、強盗が立てこもってる家の食卓。
前半は佐々木蔵之助、まったくセリフがないのだが、突然しゃべったかと思ったら
『俺ひじきキライなんだよね!』
今までさんざんひじきにまつわるエピソードで感動していたかのように思ってたのに、これかい!
最後にわかる女たちの正体で、ちょっと笑ってしまった。
で、最後男が改心して感動のラストかと思いきや、打たれて死んでしまうという結末。
少女の最後のセリフ『後味悪いね』よりむしろあたしは結構好きな感じ。
なんというか、冒頭にも字幕で出るのだが、ダークな結末がかえってよかった。

『JUSTICE』
監督:行定勲(「GO」/「ひまわり」)
出演:妻夫木聡綾瀬はるか
高校の廊下に響く英語。ヒアリングの授業中、教師のロバートはポツダム宣言を読んでいる。詰襟学ランの男子クラス生徒たちはノートに訳を書き取っている。「平和」、「安全」、「自由」、「民主主義」・・・。退屈そうにしていた東条(妻夫木聡)は、窓外のグランドの光景に目を奪われた。そこでは赤、青、緑のカラフルなブルマの体操着を来た女子たちがハードルを跳んでいたのだ。東条は、女子たちがブルマに指をかけてズレを直す仕草に注目し、机にその回数をカウントしていく。そしていよいよ、憧れの星さん(綾瀬はるか)の順番が回ってきた。

これはねーなんというかねーおばか!
ていうか、久しぶりに見たよ、ブルマ。
昔あんなもんみんな履いてたかと思うとちょっとドキドキすんね(笑)
あんなにケツ出てる服(っていうかパンツ)で体育してたんだもんね。
そして、ブルマからハミパン(←なつかしー!)しないように、なおすしぐさもみんなやってたね。
映像のテンポと、最後英語教師が英語でキレるとこがなんともおもしろくてよかった。
あたしは赤ブルマがよかったなぁ〜。
んん〜ジャスティスッ!

『ARITA』
監督:岩井俊二(「Love Letter」/「スワロウテイル」)
出演:広末涼子
気がついたときには、ありとあらゆる紙の上にARITAが現れていたという女の子(広末涼子)。誰のところにも現れるものと信じていたのだが、友達のノートにはARITAがいないことを知り、自分のなかの秘密のようにして22年間を過ごしてきた。そんなある日、ARITAの存在に疑問を持ちはじめた彼女は、ARITAのいる紙に火をつけてみる。するとARITAは、奇声を上げながら部屋中を駆け回るのだった。

これは岩井ワールド全開って感じでよかった。
出演者は広末ひとり、話もARITAに気づいてから今までの話のみ。
んで、最後『結局ARITAってなんなんでしょう?』。
ネットでARITAに関するサイトを見つけて書き込んでる、って設定もよかった。
あーあたしにもARITAがいたらなー。
燃える前のARITAもかわいかったけど、あたし的には黒コゲで復活したARITAも好きだった。


といった感じで、盛りだくさんの内容。
ショートフィルムは初めて見たけど、なかなかよかった気がする。
まぁ好きな監督や俳優さんが多かったのはあるけれども。
早いとこ、2も見なきゃな。
なんてったって、2にはラーメンズが出ているのだ!